我が家では安い肉を買いだめして冷凍し、小出しにして料理に使う、、、これが倹約的で節約になります。なのでうちでは結構な冷凍がストックされています。
料理も火の通ったものが多くなるので、炒め物が多く飽きてくることがあります。ただ、旦那様はとにかく肉が好きなので、肉であれば全然大丈夫とのこと。ありがたいです。
一方私は、マグロが好きなんです。
20代の時、仕事の宿泊研修での出来事です。その当時まだ教師ほやほやで(目先のことで精いっぱいな状態)、とにかく言われたことをこなしていく、生徒を見守る、動く、、、みたいな状態でした。
場所は観光地小樽でした。
その頃から自主研修があり、各自テーマで研修をする時間がありました。中には1人で行動する生徒もいたので、各先生方で割り振って生徒の見回りがされていました。
その時に、「○○先生は、○○君についてください。彼1人だからその子だけでお願いします。」 と言われ担当になりました。
その子は、寿司について調べる自主研修でした。(小樽は寿司が有名です)
5件くらいピックアップして有名寿司店を回り、大将に話を聞くという具合に計画を立てていました。
いよいよ出発です。最初はずっと後ろをついて行っていたのですが、そのうちなんだか尾行みたくなってきて、本人も不安ありだったので1件目のお店に一緒に入ってフォローすることになりました😅
その店は、某有名寿司店です。
私の家は裕福ではなかったので、そういう有名店では食べたことがありません。ましてやお寿司は高級です。なのでちょっとビビッていましたが、ここは教員としての立場で生徒のため胸を張って付き添い役をしました(笑)
とても感じよく迎え入れてくれました。
一通り挨拶を終えてから質問を開始しました。
その質問の中で、
生徒:「今の旬のネタはなんですか?」
大将:「そうだね、今はトロが旬だね。脂が乗っててね。」
そんなやり取りがありました。
そして、いろいろメモを取っている間に大将が、
「どうぞ、食べてごらん。」と握ってくれたのです!
そして、なんとなんと、
「先生もどうぞ。」
と私の分も握って出してくれたのです😆😆😆😆😆😆😆
新人教師の私はちょっと舞い上がり、「いいんですか!?」といいながら、食させていただきました。
「んな、ななんておいしいんだ!!」
びっくりするくらいおいしかったです。
「こ、これがトロというものか、、、、、!!」(心の中)
生徒と顔を見合わせ超絶感動しました。
私はそれまで、トロというものを食べたことがなかったのです。初めて食べたトロでした。
それを一流のお店で味わえたなんて! 一生の宝となりました。
後から知りましたが、その当時でなんと1貫900円だったのです。
お寿司一貫900円って、、、。
その当時は、自分では出せない値段です。別世界の話です。
私は感動したままぼーっとしていましたが、生徒は自習研修の調査を進めていました(笑)
味に感動していましたが、大将の心意気にも感服です。
最後丁重にお礼を言って店を出ます。
その時に大将が生徒にこう言いました。
「おいしかったかい? ああ良かった。この後もいろいろまわるのかい? これからたくさん勉強して、またこの町に来てね。いつでも待ってるよ。」
と生徒に言っていました。
私はまだ若くて、自分のことで精いっぱいでしたが、今このことを思うと胸が熱くなります。
この町に住み、働くにあたって、大将がどういう心意気で寿司を握っていたのか。
当時は、お店をやっている人に対して『別世界の人』みたいな感じでよく理解していませんでした。それぞれ、『生きていくために働く』 いつも極論しか考えられなかったのです。
今考えると、あの時大将の「また来てね。」が、とてつもなく深く刺さります。
お店をやっている人って、自分の店さえ繁盛すれば、、、うまくいけば、、、とか思う節はあると思います。しかし、それが全体として見たときにそれだけで長く続くものだろうか、、、と疑問に思います。
美味しいものを提供する、感動してもらえる、そうやって喜んでもらうことでお店に来てもらうのは当然の流れだと思いますが、その流れの中で、
またこの町に来てもらう、またお寿司を食べてもらう、
これこそが店主たちの大きな願いである、、、
そんなふうに思いました。
ただただ生徒が優しくしてもらった、というわけではない。心底、町やお寿司の発展など、そういう大きな視点で経営をしていることに気づかされます。
ほんと、こういうことを、その時に教師として伝えられたらよかったのになーーー
と思います😂
「すんごいおいしかったね!」 そんな会話だったと思います(笑)
今なおコロナ渦で大変な思いをしている方たちが多いことに、胸が苦しくなります。それぞれ熱い思いを持ってお店をやっている方々は、本当に苦しいと思います。
早くこの世界が安息に向かうことを願うばかりです。
忘れられないエピソードでした。
40歳過ぎた頃から更にマグロに目覚めたようで、新鮮なマグロがおいしくておいしくてたまらなくなりました。
今はスーパーで買ってきて(値引きしているもの)たまーに食べるくらいです。
小樽で食べられるよう、私もがんばらなきゃ。
ああ、早くトロが食べたい!

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