2021/09/19

昨日見た映画『家へ帰ろう』

 

昨日、久しぶりに映画を見ました。見たい映画も溜まっていますが、気分でいつも選ぶので全然減らないという現実、、、。でもこういうのは、その時の状況や雰囲気、自分の気分が大事なので直感的に選んだ映画を見ました。


『家(うち)へ帰ろう』という映画です。


一言で感想をいうと率直に 素晴らしかった!

老人のロードムービーです。スペイン映画です。


~ 以下『地球の歩き方』での紹介文より抜粋 ~


アルゼンチンから故郷ポーランドへ、ホロコーストから逃れた仕立て屋が約束を果たすために旅に出る。

ブエノスアイレスに住む 88 歳の仕立屋アブラハムは、ブエノスアイレスからマドリッド、パリを経由して、ポーランドに住む 70 年以上会っていない親友に最後に仕立てたスーツを届けに行く旅に出る。

親友は、ユダヤ人であるアブラハムがホロコースト から逃れた彼を助け、匿ってくれた命の恩人であった。しかし旅の途中さまざまな困難に出会うアブラハムを出会う女性たちが 手を差し伸べてくれる。やがてかたくなだった彼の心も開けていき…

というストーリー。


ストーリー序盤、娘たちのやり取りから始まりますが、末娘以外この老人をお払い箱にしたい、、、孫までもけっこうえげつない、、、という印象。この時点で自分の老後と重ねてしまいました。自分には子どもがいませんが、いたらきっとお荷物になってお金持っていなかったら見捨てられるんだろうな、という想像ができる。
でも、老人は世話にはなりたくないし、自分のやりたかったこと(やらねばと思っていること)があった。

ここで行動に出るのです。88歳という年で、しかも足が悪いのに。そしてすごく気になったこと、旅の身支度を整えて家を出るのですが、着ているスーツがなんともおしゃれ! 鞄1つだったのでそんなに持っていないだろうとわかるのですが、画面に出ていたのは2~3着でした。それがとても素敵なんです。おそらく生地もすごくいいものだと想像できます。そして老人は仕立て屋だったことがわかります。

「どうりで!」

素敵なんですよね。歳をとっていてもそういう心を持っていたいし、自分が職人である誇りみたいなものを感じる。そういう仕事をしていたというセンスを感じる。
すごくいい!

物語はユダヤ人迫害の背景を背負っていて、この老人が経験したことがわかるシーンがいくつか表現されています。旅の中で頑なに『ドイツ』の地に足を踏み入れたくないと伝えるシーンや、そのことがフランスの駅員に伝わらず周りにいた人たちが笑うシーンがあります。このときの老人の表情や気持ちが、何とも言えませんでした。


戦後に生まれている私は、当時のことを知る由もないのですが、ナチスや戦争については『映像の世紀』でかなり見ていました。その他の番組でナチスについてやっていると必ず録画もしていましたし、関係する映画もけっこう見ています。すごく知りたい気持ちがあって、見るたびに「ほんとうに起こったことなの?」ということが歳を取るごとに現実化してきて、「ほんとうのことなんだな」と間接的にも感じるくらいになりました。しかもほんの70年前くらいに実際にあったことですからね。

この老人の実際の経験を、70年経ったからといって歴史が流れたからといって、『記憶』というものまでもが変わるわけありません。なので、駅で笑われたシーンは見ている私も胸が押しつぶされそうになり涙が出ました。

そして、とても『孤独』を感じました。
何年経過しようと消えることのない悲しい戦争の傷跡が残っていて、理解できない周りの人々、、、という印象に見えました。


でも、そのあとに一人の女性と出会います。
ここから先の物語は、とても言葉では表せられない内容です😌(この映画をみて感じてください、という意味です)


すごいなー、
今でも悲しことや理不尽なこといろいろあると思いますが、戦争ほど悲惨な経験はそうないんだと思います。死にかけて生き延びたという経験は境地です。

恥ずかしい話ですが、子どものときは戦争を遠いものに感じていて、全く自分に関係のないことのように思っていました。(とても頭の悪い子でしたからね)
でも今は違うんです。もしかしたら、また繰り返すんじゃないかと、本気で思ったりします。

この映画は、そのあとのストーリーが素晴らしくて、老人が少しずつ変わっていくシーンに感動します。とても重いものを背負ってきたんだけど、目的を持った旅に出て世の中が変わっていることや、人々も変わっていることを感じながら、自分の人生も新たな一歩を踏み出していく、、、ということに胸を打たれます。しかも88歳で!

どんなに歳を取っていても、新たな発見をしたり、一歩踏み出すことで広がる世界を知ることができるって、なんてロマンチックなんだろう。死ぬ前にそういうことを感じられるマインドで人生を送りたい! この映画を見てそう思いました。


すごくいい映画です。
見終わった後も余韻が残ります😊




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