2021/10/22

ショパンコンクールが終わった(長文)

 


反田さんおめでとうございます!


あれよあれよのうちに、ショパンコンクールの結果が出ましたね。

YouTubeでファイナルを聴いていたのですが、全部聴き終わる間もなく、ネットの見出しで結果が出てしまい目に入ってしまいました(笑) 全部聴いてから、自分なりにも結果をだしてみたかったんですーーー。

まあ、今の時代しょうがないですね(^^;) 

サッカー試合の結果だって、リアルタイムで見ないとスマホに通知出ちゃうし、見ないで過ごす方が難しい、、、。


そんなこんなで、ヤフーニュースで反田さんが2位だと知りました。

反田さんのファイナル演奏は事前に聴いていました。

すごく良かった✨ 

おそらく嬉しい気持ちと、とてつもない緊張が入り混じっていたと思います。見ているこっちも息していない感じになりました。


以前にも書きましたが、演奏がほんとに繊細になったように思います。ワルシャワで4年ショパンの勉強をしてきたと言っていましたが、ほんと真摯に学んできたことがわかる。この4年でまずにして心が変わったことが演奏でわかります。心が変わったとは変かもしれませんが、ショパンへの向き合い方と、ピアノへの向き合い方が明らかに変化したことがわかるんです。なぜなら私は、何年か前に彼の演奏を聴きに行ってるんで、その時の雰囲気と音楽がまるで違うことに衝撃を受けました。

その時の演奏は、反田恭平の音楽!って感じだったんです。既に有名でしたしファンも多かったと思うんですが、ピアノに関しては『ザ・俺の音楽!』っていうテクニックと音だったんですよね(笑) それが、このコンクールの予選の時の演奏を聴いた時、ほんとびっくりしましたよ。

彼の弾くピアノからショパンが聞こえてくるんです。 

たいした耳を持っていない私でも、ショパンが聞こえてくるんです。感動しましたもん。個人的には3次で弾いていたマズルカがよかった。そしてその曲好きになった。めっちゃショパン感が感じられて時代背景が浮かびました。コンチェルトは、内声の音の鳴りが皆さんそれぞれの部分で聴こえてくるんですが、「反田さんここを聴かせるんだー」というところに注目しながら聴いていたら、これがだんだんハマってくるんですよね。そういうのが構成として伝わるのがおもしろい。そしてダイナミックに鳴らす音はとてもいい音でしたね。身体が入っているのがわかりますし、それが手の甲に伝わって鍵盤の芯に浸透している感じがしました。


その他の人たちの3次予選の演奏を聴いていたら、みなさんレベルが高くてこれまたびっくりです。当たり前だけど、ほんとに一人ひとり音が違う。みんなすごい。さすがショパンコンクールだなと思いました。

その中で私がいいなと思っていたのは、韓国のイ・ヒョクさんです。音がきれいです。3次の演奏を聴いてみずみずしい艶玉のような音だなと思いました。(意味不明ですがあくまで個人的イメージ(笑))

あと、小林愛実さんのプレリュードは血が湧きあがってくるようでした。ものすごい熱を感じた演奏で込み上げるものがありました。なんていうか、強いエネルギーのある女性にしか演奏できない表現だったように思います。すごかった。


別の視点でのことですが、ほとんどの出場者が当たり前のようにスタインウェイを弾いています。歴代優勝者もほとんどそうです。いい音出ますし鳴りがいいんだと思います。

それが今回は、1位の方が弾いたピアノがイタリアの『ファツィオリ』というメーカーのピアノだったんです!!! 


このピアノ、イタリア人のレオノーラ・アルメリーニさんも弾いていました。レオノーラさんのピアノを聴いた時に、「これがファツィオリの音かーー✨」と音色違いを感じることができたんです。すごく鮮やかで音が耀ってる感じ🌈 今までにない新鮮さがありましたね。これが、レオノーラさんの音なのかファツィオリの音なのかがよくわかりませんでしたが、レオノーラさんの音楽を表現していたことは間違いないです。ちょっと新しい世界を感じました。


以前に調律師さんの戦いのドキュメントを見たことがあるんです。その時の舞台がショパンコンクールだったか忘れましたが、コンクール本選の時の出場者がピアノを選ぶ際に、調律師さんが自分のメーカーをピアニストが選んでくれることを切望しているんですよ。待機しているんです。その時に、そこにまだ新しいピアノのファツィオリの調律師さんもいて、腕の見せ所でもあるんでアピールしていたのです。そりゃそうですよね。国際コンクールで自分のメーカーのピアノで優勝したら快挙ですからね。


しかしながら、ほとんどのピアニストがスタインウェイを選ぶんです。なかなか選んでもらえない中、女性ピアニストがファツィオリのピアノかスタインウェイで悩みファツィオリを選んでいたんです。調律についても打ち合わせをして、「選んでもらえた」とファツィオリの調律師チームがすごく期待して喜んでいた場面がありました。

しかしです。本選の直前になって「やはり辞めます」と連絡が入り、ファツィオリのピアノを使ってもらえなかったんです。彼女は結局スタインウェイを選んだのです。それはそれはがっかり。


という、そんなピアノメーカーと調律師さんの戦いのドキュメントを思い出しました。

それで今回ですよ! YouTube見てください!


優勝したブルース・リウさんは、なんと、

ファツィオリのピアノで弾いているではありませんか!😭


これには私は泣きましたね。

「ああ、ファツィオリのピアノ、おめでとう!」と。(そっちかい)


1位の方のピアノ聴きましたが、鮮やかに鳴っていましたね―――。やはりこれがファツィオリの音なんだ。コンチェルトの3楽章にはすごく合う音色だと思いました。

いやー、この瞬間にもすごいドラマを感じることができました。すごいことだと思うんです。反田さんの進化といい、ファツィオリのピアノといい、物事って変化してよい方へ進んでいくんだと、ジーンとしてしまいました。すごい夢を与えてくれました。反田さんの4年間(ほんとはもっとあるでしょうけど)、ファツィオリも前回から6年、、、、何年もかけて叶えていくってすごいなー。感動しました。

また調律師さんのドキュメントやってほしいな。


今年はYouTubeで見ることができるようになったので、今までと違う視野でショパンコンクールを見ることができました。自分も歳をとったので、出場者さんたちがどれほどスゴイ人たちかがよくわかるようになったし、映像からも演奏の表現や音をよく感じ取れるようになったことは大きいです。見ているだけでも、一緒に成長できた気がします。

これから振り返って聴けるのもまたいいし(#^^#)


勇気もらいました。そして努力することはいつの時代だって大事なことだと思い知らされました。

国籍は関係なく、ピアニストさんたちの姿がほんとに素敵でした。


ありがとうございました!




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